2011年4月4日月曜日

考古資料 3D化の基本プロセス

こんばんは。YOKOYAMAです。

寒さもやや戻り気味、盛岡は午前中すこし雪がちらついていました。春が待ち遠しいですね。

さて、今日は考古資料形状の3次元データ化の基本的なプロセスについて、ざっとまとめておきます。これは今後頻繁に使用する用語集、あるいは今後の予告編、程度に思って見て頂ければと思います。あくまで考古アーキビストによる考古学のための3D話ですから、生粋の情報系の方はどうぞお手柔らかに。

考古学3D化の基本プロセス

まず考古資料の3次元化をする場合、上図のような流れがあります。あらゆるコンピュータオペレーティングの例に漏れず、入力演算出力という原則的なプロセスです。

入力 ( input )

三次元計測器を用いて「考古学資料」から3D点群 を取得する動作が「入力」です。キーボードやスキャナ、デジカメなど、コンピュータにデータを取り込む機材を「入力装置」といいますが、三次元計測器もそのひとつです。

取得した3D点群は、三次元空間上の点の集合で、それぞれの点がX,Y,Z座標値を持っています。3次元グラフとして出力すると、以下のような黒い無数の点の塊になります。これが考古資料の最もプライマリな状態のデータです。

点群グラフイメージ

演算 ( operation )

入力したデータをもとにコンピュータで加工をするところが「演算」です。具体的には3D点群から3Dポリゴンを生成し、解析処理を施すところまでを指します。

3Dポリゴンの生成
3Dポリゴン イメージ

入力」によって取り込んだ3D点群は、ただの点の羅列であり、それ自体意味を成しません。各点は物体の表面の点ですから、それぞれ無関係に存在するのではなく、点の間には「」が存在します。そこで各点の隙間に擬似的な面を張る必要があります。
」は、各点間を結ぶ直線で囲われた多角形として生成されます。 この面をポリゴンと言います。物体表面に無数の細かい面が形成された状態のデータをポリゴンデータといいます。

形情報の解析処理

さらにポリゴンデータでもまだ意味を持ちません。そこから考古学的に意味のある情報として可視化する必要があります。

多角的な解析

可視化は形状解析処理によって実現します。 解析処理には陰影付け、尾根線抽出、谷線抽出、標高段彩表示など色々な手法があります。 これらの形状特徴を抽出するための数学的な論理、演算方法を「アルゴリズム」 と言います。さらに、これら単体の解析処理画像を選択的に重合表示するよって、対象をより多角的に表現することが可能となります。

考古学的な可視化アルゴリズム開発は、これまで私達が時間をかけて試行錯誤してきた分野ですので、期を改めて詳しくお話したいと思います。


出力 ( output )

出力」は端末表示や紙出力のことです。 と言ってしまえばそれまでなのですが、私は「考古資料3次元化」の最も明るい可能性を秘めているのは、実はこの「出力」の場面だと考えています。
この話題も少しずつまとめ、後日お話したいと思います。


それでは。

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