2011年8月21日日曜日

Kyuentai.e.V. ~ドイツからの支え~

こんばんは。YOKOYAMAです。

facebookを始めてから、旧友 Wolfgang Fanderl と再び連絡をとるようになりました。彼は2000年前後にドイツの大学生として日本文化を学ぶために来日し、盛岡の高校で柔道を教えながら3年ほど日本に滞在していました。その頃に知り合い、親しくなりました。


彼は常に周りを笑わせる明るさと気さくな性格で、多くの日本の友人とともに盛岡ライフを謳歌していました。 3年の間に柔道だけでなく、衣、食、住、地理、娯楽、地域行事などあらゆるローカル文化に精通、言葉も標準語と盛岡弁を巧みに使い分けるまでになりました。 そしてついに自他共に認める立派な「へンナガイジン」となってドイツに帰っていきました。


先日再来日した彼から電話があり、 8月16日におよそ10年ぶりに再会、そして盛岡市内のやきとり屋に飲みに行きました。懐かしく当時のまま何も変わっていないように感じました。

話しを聴くと、彼は現在テュービンゲンの大学で日本文化の教鞭をとっているそうです。ところが3月11日の東日本大震災をうけ、そのわずか8日後の3月20日に Kyuentai.e.V.という団体をドイツで起ち上げ、その代表として活動を始めたということです。

今回、彼が来日した目的は、集めた義援金が目的に沿って使われるための折衝や事前調査だということがわかりました。ひとり津波被災地や、被災県の行政機関に足を運び、震災孤児の実態やその長期的ケア体制の実現に必要な情報を収集をしているとのことです。


以下、彼にもらった Kyuentai.e.V. リーフレットの日本語訳部分を転載します。

Kyuentai.e.V.(登記社団 救援隊)は、特に2011年3月の震災で親を失った子どもたちのために、地域レベルで長期的に支援を行うことを目的としています。


我々がおこなうのは毛布や飲料水と行った直接の緊急援助ではありません。そのような支援はすでに各主要団体が実施していますが、一定期間がたてば終了となってしまいます。


我々はもっと長期的な視野に立って支援を行います。子どもたちは各主要団体が設置した児童ケアセンターの助けによって、一度はそのつらい経験を乗り越えることができるかも知れません。しかし支援を必要とする子どもたちの多くは、震災後も長きにわたって、経済的にも精神的にも苦しみ続けなければならないのです。


当面は、当協会が緊密に連絡を取り合っている岩手県を支援の対象としています。同県の沿岸地域も津波により甚大な被害を受けました。支援先につきましては、需要に応じた長期的な支援を行えるよう、協議の上で、岩手県の地元組織を選出する予定です。目下のところ岩手県が設置を計画している「こころのケアセンター(仮称)」への支援が候補になっています。


これから社会が復旧したとしても、孤児となった子どもたちにとって本当に必要なのは、将来他の人と同じチャンスをつかむことができるための、精神面と経済面での支援なのです。


Kyuentai.e.V. は、親を失った子どもたちの成長に貢献したいと存じます。


支援を必要とする日本人も、日本人を支援したいと思っている人もたくさんいる。しかしこれらをつなぐコーディネートの部分がまだまだ足りないことがわかりました。


やがて終電の時間が近づき、「いわて銀河鉄道」盛岡駅の改札口まで彼を送りました。

私が見送ったのは、流浪の愉快な自由人「ウォルフィ」というより、10年前に彼を受け入れた日本人の支えとなって帰ってきた「ファンデル救援隊長」でした。
じゃあね・・のつもりで上げた手は、はからずも敬礼のかたちとなりました。

Kyuentai.e.V. URL
Kyuentai.e.V. facebook page 

それでは。

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