2015年10月2日金曜日

考古学における「ターゲット」とは何者か?

こんばんは。YOKOYAMAです。

先月は学会で海外に出かける機会に恵まれて心身ともにリフレッシュできました。ただその後も休む間もなく遺跡計測や入札、打合せなどが目白押し、おかげさまで忙しくあちこち駆け回っています。今日は週末の学会に参加するために先程東京入り、その足で今回は早稲田大学考古学研究室の調査合宿にはじめて参加させていただく予定です。最近、大学生や院生など20代のエネルギーをもらう機会がとても楽しみです。40過ぎてのこの感覚は何なのでしょうか?



さて、最近一緒に活動している考古学者のあいだで、情報のあり方、その共有のあり方についてのコメントが多くなった気がします。現在の考古学では遺跡や遺物の記録は、特定の人がその解釈結果を線画化するという記録方法をベースとしているため、第三者がそれを検証するための資料が生成されない...というものです。この課題への対応としては、これまでもここでくり返し言及してきたように、3次元技術やデータベース、ネットワーク技術をその幹に配置することで解決されていきますが、それをいざ実行したいと思っても周囲からの理解が得られないというケースがとても多いようです。

このようなテーマが考古学で議論されはじめたのは90年代後半頃のことです。そこから15年以上もの長い間、何故その内容をほとんど変えることなく現在に至るのかその理由のひとつとして「これまでに刊行された報告書との仕様上の連続性、整合性がとれないから」という意見にしばしば出会います。なるほどもっともな理由のように思えます。今日はこの辺りについて私なりに解きほどいてみたいと思います。

2014年10月18日土曜日

3Dデータ化は本当に高価か?

こんばんは。YOKOYAMAです。

ここ数日 facebook上で100コメントを超える白熱した議論が交わされていました。そのテーマは「真面目に石器実測図をつくる意味はあるだろうか?」です。私もすこしだけコメントしつつ、10年前ならば絶対こういう運びにはならなかっただろうな...という(良い意味で)意外な議論展開を興味深く読んでいましたが、そろそろ一段落したようです。
紆余曲折ありながらも3D記録が代案の有力候補にあがるという結末にホッとしてます(笑)


2014年3月11日火曜日

震災から3年間の(かなりフワッとした)まとめ

こんばんは。 YOKOYAMA です。

すっかりご無沙汰しています。
今日で大震災から丸3年ということですが、私はそれよりずっと長く感じました。まわりには逆の感覚の人も結構いるようなので、この感じ方は、人それぞれなのだと思います。


2012年10月10日水曜日

論より証拠 〜 ”最適な観察環境を供給する” という発想 〜

こんばんは。YOKOYAMAです。

はや10月。猛烈な残暑が過ぎ去ると、瞬く間に寒くなってきました。隣の宮古市とを結ぶ峠では、一昨日未明に氷点下を記録したとのこと。新緑云々~と言っていた前回の投稿から大部時間が空いてしまいましたが、その間、ある研究助成に・・必死の申請→晴れて採択→プランニング完了・・と、慌ただしく過ごしていました。今週からようやく腰を据えて取り組もうかといった状況です。


さて以前「3Dデータは考古学における評価の拠り所となり得るか?」という記事を書きました。ここではこのタイトルに掲げた「問い」に対して肯定的な予察をしたわけですが、その後簡単な実験をおこない、一歩先へ進めてみました。この実験は先月末の日本情報考古学会にて公表しましたが、今日はそのブログ用ダイジェスト版、まとめてみます。

2012年5月17日木曜日

遺跡のPEAKIT 〜3Dアーカイブのねらいとは?〜

こんばんはYOKOYAMAです。

今年も新緑の季節がやってきました・・・という書き出しのフレーズを以前も使ったような気がしてふり返ると、このブログを始めてもう一年以上が経っていたことに気がつきました。特に自らノルマを課すわけではなく、書けるときに書きたいことを・・・くらいの気構えで続けて来たこともあってか、心から楽しむことができました。とりわけ嬉しかったことは、関心を持ってくれた方々に声をかけて頂き、この1年で大小さまざまなプロジェクトがスタートできたことです。それぞれの成果がしっかりと実を結ぶように気を引き締めていきたいと思います。


さてPEAKITの原理、あるいはそれを遺物に適用した例はこれまでにもいくつか紹介してきました。今回はそれらと全く同じ考え方で遺跡を解析した事例を紹介しつつ、その先のビジョンをまとめてみたいと思います。

2012年3月29日木曜日

陸前高田「奇跡の一本松」は、本当に一本松か?

こんばんは。YOKOYAMAです。

昨日は「奇跡の一本松」に関する打合せで陸前高田市役所へ。その足で現地を視察してきました。

高田松原はもともと津波や高潮から街を守る防潮林として江戸時代に作られ、これまで風光明媚な名勝として愛されてきました。以前は約7万本の松があったそうですが、東日本大震災による津波でほとんどがなぎ倒され、この一本だけが奇跡的に最後まで残ったという話はすでに誰もが知る有名なエピソードです。


2012年3月1日木曜日

石器の3次元化 〜ロボット「3号」真夜中のミッション〜

こんばんは。YOKOYAMAです。

今日は、普段スタッフが皆なんとなく「3号」と呼んでいる3D計測機をサラッと紹介します。3号の「3」という数字は自社で開発したロボットに順番に付されたコードですから、これは1号、2号を踏まえた改良版だということになります。 ちなみに目下のところ4号まで開発が済み、現在5号に着手しています。

名前はまだありませんでしたね・・そのうち気の利いた愛称を探します。