2014年10月18日土曜日

3Dデータ化は本当に高価か?

こんばんは。YOKOYAMAです。

ここ数日 facebook上で100コメントを超える白熱した議論が交わされていました。そのテーマは「真面目に石器実測図をつくる意味はあるだろうか?」です。私もすこしだけコメントしつつ、10年前ならば絶対こういう運びにはならなかっただろうな...という(良い意味で)意外な議論展開を興味深く読んでいましたが、そろそろ一段落したようです。
紆余曲折ありながらも3D記録が代案の有力候補にあがるという結末にホッとしてます(笑)




ただひとつ気になった点は、当初、遺物の3Dデータは高価だろうからという理由で、そもそも問題解決の選択肢から除外されてしまっていたことです。3D計測器を想像するとこういう印象になるかもしれませんが、少なくとも当ラボではある程度まとまった点数ならば、石器の3Dデータ作成単価は石器実測図作成単価の約1/4倍と、実測委託より遥かに安くなります。

この点は技術の進歩というよりも、むしろ運用面での工夫によるところが大きいと思います。比較的高額な設備投資をともなう3D化は、専門機関に集約させて、効率よく稼働させるだけで単価はストンと落ちるのです。
たとえば高額で高性能な農業機械を多くの農家で共有することでみんながハッピーになるシステムと同じようなイメージですね。縄張り制に固執すると自分で鎌で刈って腰を痛める...とか安価でそれなりの中途半端な設備になったり...とメリットはありません。



ところでこの写真は、先日あるメーカーさんにデモして頂いたときの記録です。最新のレーザープロファイラによる(目をみはるほど奇麗な)黒曜石の断面図で、前モデルの問題点は見事にクリアされていました。それなりに高価ではありますが、遺物計測のために導入すればこれまで9時間程かかっていた3D計測が数分で終わってしまう、かつ黒曜石に反射防止剤塗布〜超音波洗浄するという無駄な手間を回避できるなど、効率が高まり、それが単価に反映されます。....ただしその好循環を保証する数字が高価な計器の「稼働率」なのです。

今後考古学において3Dデータのニーズが高まっていくと思います。同時に開発投資、設備投資を集約させ、そこが常に最大のパフォーマンスを発揮できるような陣形をつくることで品質も効率もどんどん向上し、調査費用の問題を緩和できると思っています。

既存の枠組みにとらわれない分業体制の確立は、今後の考古学の最重要論点のひとつになるだろうと思います。

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