2011年11月7日月曜日

諸問題の解法 〜「B」を描くことの意味〜

こんばんは。YOKOYAMAです。

今年度後半は、私のラボからも9月の日本情報考古学会、10月には考古学ソリューションと、講演や発表の機会が増えてきました。そして11月は、 The 4th Annual Meeting of the Asian Paleolithic Association で2件の研究発表があります。

目下いろいろな人にお会いでき、とても有意義に過ごしています。ただし会社の規模からいうと私が年中このような恵まれた状況下で・・というわけにはいきませんから、これが許される限られた期間に出来るだけ自分の考えをシンプルに伝えつつ、同時に多くのことを吸収できればと思っています。


さて先月参加した考古学ソリューション、その総合テーマは「変化」でした。今日はそれについて私が常々考えていることを書いてみます。



たとえば・・・ 問題を抱え日々悶々と悩むAさんが「変わらなくては!」と一念発起したときに、昨日までの自分をいくら見つめ直してもそこに答えが無いのが普通です。「答えが無いこと」こそがAさんを変化へと駆り立てる理由だからです。
ですから、真っ先にAさんがやるべきことは自分以外の理想の人物「B」を捜す、あるいは「B」という理想の人物像を描くことだと思います。そしてこのBさんとAさんの「差分」を明確にすることで、変化のベクトルが定まり、変化への段取りが決まるわけです。
ここまでの仕事はAさんの頭脳が担当しますが、そこから先は脳から指令を受けたAさんの手足が実行に移します。

 法人 A社が変化する場合も同様です。業績不振に悩むA社が「変わらなくては!」と一念発起したときに、昨日までの自社内をいくら見つめ直してもそこに答えが無いのが普通です。「答えが無いこと」こそがA社を変化へと駆り立てる理由だからです。
ですから、まず真っ先にA社の経営者がやるべきことは、全ての問題をクリアした「B社」を描くことだと思います。そしてこのB社とA社の「差分」を明確にすることで、A社の変化のベクトルが定まり、変化への段取りが決まるというわけです。
ここまでの仕事はA社の経営者とそのブレーン=首脳陣が担当しますが、そこから先は首脳からの指令を受けたA社の従業員が実行に移します。


今さらいうまでもなく考古学事業はこの10余年もの間、「~~問題」という綻びのオンパレードでした。急激な上昇曲線を描いて1997年にピークに達した調査予算は、そこから急降下して現在に至ります。つまりこれら全ての問題は「金がある環境」から「金がない環境」へと大きく転換したことに端を発しています。

ところで、wikipedia「ビジネス」項によると・・
ビジネスとは営利や非営利を問わず、また、組織形態を問わず、その事業目的を実現するための活動の総体をいう。したがって、ビジネスの主体者としては株式会社などのような営利企業だけなく、NPOなどの非営利活動法人や住民サービス提供などを行う行政組織等を含み、個人または法人組織などの事業体がそれぞれの事業目的実現のために、人・物・金・情報などの諸資源を活用して行う活動全体を意味する。
・・とあります。

これにならえば「考古学情報の記録保存」という目的をもった事業全体でひとつの大きな「ビジネス」だということになります。このビジネスがいかなる環境下でも常に安定した成果をあげ続けていくために不可欠なものとは、リアルタイムに更新、供給されつづける「B像(=全ての問題をクリアした次世代のビジネスモデル)」だと思います。さらに、上のたとえ話でいうと、この「B像を描く」作業はAの頭脳や首脳の役目でしたが、考古学事業の場合も同様これらに相当する大きな責任と権限をもった「シンクタンク」(種々の分野の専門家を集め、政策決定や企業戦略の基礎研究、システム開発などを行う頭脳集団)が必要だと思うのです。

つまり、まず真っ先に「Bを描く」→その後に「最短でBへ至る手段と実行者を決める」・・この手順が現在の考古学をとりまく諸問題に対する正しい解法だと思います。そしてこれこそが長引く不況下で頻繁に使われるようになった用語「イノベーション」の最も基本的なスタンスだと私は理解しています。

残念ながら現在、考古学事業にこのような「シンクタンク」は存在しません。これは私達が個々の技術的な課題をクリアしていくことよりもはるかに難しい問題だと考えています。この問題に触れず、「変化」といえば直ぐに官だ民だ・・とあたかも「調査主体の置換問題」が事の本質であるかのような議論をどれだけ重ねても、私は何も起こるはずがないと思っています。だからこの種の話題には全く興味がないのです。


しかしそんなことを言ったところで仕方がないので、先般の大震災をきっかけに腹をくくり、我がラボでも時間を見つけては勝手に「独自のB」を描き始めたことは過去にもふれました。それも日に日に具体化しつつあります。内々ではこのビジョンを「プランB」と呼んでいます。

何も考えないよりは考えた方が遙かに良いでしょう。これは考古学徒だった自分に長い年月をかけて染みついてしまった感覚を根本から否定するという、とてもエキサイティングで、かつ勉強になる作業です。そしてこの作業が進むにつれ、フィールド調査をもたない私達単独ではクリアできない項目もはっきりしてきました。

最近、このような考えを理解した上で議論の場に招いて頂いたり、さらには実務ベースで試行錯誤のチャンスを与えてくれる方が徐々に増えてきたことは、本当にありがたいことだと思っています。

この勝手な「プランB」について、方向性だけは考古学ソリューションのプレゼンで言及しましたが、徐々にこのブログでも紹介していきたいと考えています。

それでは。

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